2010年8月28日土曜日

視覚障害から考えるネットの恩恵


昨日、ハーモニー・アイというNPOの勉強会に参加してきた。内容はスクリーンリーダーというwindows向け画面読み上げソフトの一種、NVDAというソフトウェアを使ってみようというもの。詳細は以下。

20100827/勉強会 | ハーモニー・アイ

そこで自分も説明を受けながらインスコし使ってみた。以下メモ。

  • ウィルスソフトが邪魔したりして環境設定に一時間くらいかかった。
  • 設定画面もちょっと分かりづらい。トライアル&エラーでなんとかできたが。
  • タウンロード、インストール中のロード時間が読み上げられないので視覚障害者にとっては不安になる。
  • ネット初心者にはもうこの時点でかなり敷居が高い気がする。
  • 実際に読み上げ開始するとちょっと感動する。
  • webサイトの読み上げは広告表示が多すぎてとにかく分かりづらい。
  • サイトの構造がシンプルなものであれば読み上げでわかりやすい
  • Flashやpdfにも対応しているが、視覚障害があるとそもそもFlashやpdfが何なのかわかりにくい
自分の雑感としては、視覚障害者がwebを使うということが非常に困難であるが、それに対して様々な技術が発達して対応しようとしていることをリアルに実感できた。ただ、この解決アプローチがあまりにも敷居が高く、そもそもwebリテラシーが高くないと対応できないだろうというのが正直な感想だ。

そこで、自分は以下のように考えた。
  • 「ネットをする」という行為は抽象的なのでその内容をクリアにする。ニュースを見て情報を得たいのか。SNSを使って人とつながりたいのか。音楽を聞きたいのか。ゲームをやりたいのか。日記を書いて情報発信をしたいのか。それぞれのニーズが達成されれば全く健常者と同じにネットを利用できる必要は無いと思う。特にwebリテラシーが低い視覚障害者にはまず練習用のポータルサイトを用意すれば良いのではないか?
  • デバイスは携帯電話が良い。①サイト構造がシンプル②音声入力に対応しやすい③キータッチがシンプル。視覚障害者向けサイトを用意することは敷居が高いが、モバイルサイトを用意することは企業にとって負担にならない。らくらくホンなどのシンプル機種の発達に期待。
  • 音声入力が発達すれば、健常者でも音声読み上げの需要が伸びてくるのではないか。ネットラジオを声で操作できればかなり便利な予感。健常者でも使えればコンテンツが飛躍的に拡大する可能性がある。
「自由にネットができること」よりも「ネットをすることで得られるメリットを享受すること」に主眼を置くべき、と思いました。これについては引き続き考えたいと思います。