2010年8月13日金曜日

ソーシャル時代の口コミサイト

旧来型の口コミサイトではサイト毎に独自に会員登録し、第三者が書いた口コミを参照するというもの(Cf.食べログ、@cosme)が主流だったが、ソーシャルウェブの影響でサイトはどのように変化するか考察してみた。

■ソーシャル化とは
口コミサイトとはそれ自体が会員機能をもちユーザー間で交流が発生するのでソーシャル化されていると捉えられがちである。しかし、ソーシャルウェブにより「外部のソーシャルグラフの活用」が可能になったので、これを有効利用しているサービスをソーシャル化されたサービスと考えることにする。口コミサイトは外部のソーシャルグラフを利用することで、ユーザーをサイト毎に会員登録する煩わしさから開放し、普段からソーシャルメディア上で接する良質なソーシャルグラフを利用させることができるようになる。

■海外事例
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口コミサイトのソーシャル化の海外事例として是非取り扱いたいのが旅行系口コミサービスTripAdvisorだ。Facebookに対応したTrip Friendsはソーシャル化の分かりやすい良例である。これを簡単に説明すると、
  1. Facebookでログイン
  2. 都市を選ぶとそこに行ったことのある友人が表示される
  3. その友人にアドバイスを求めることができる(非公開)
という、非常にシンプルでソーシャル性の高い機能だ。詳細な使い方はサイトを見て頂いたほうが早い。旅行以外での応用例としては、ある商品カテゴリー(ノートPC、ビジネス書等)を買ったユーザーにアドバイスをもらう、といったことができるだろう。

TripAdvisorR Trip Friends

トリップアドバイザー、Facebookの友だちから 旅行のクチコミ情報がもらえる新機能を公開:MarkeZine(マーケジン)

■国内事例
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国内で積極的にソーシャル化を進めている口コミサイトはAlike.jpだ。こちらの記事でその内容が記載されている。

TwitterとFacebookのOauth認証に対応し、更に「いま流行りの”フォロー”と”タイムライン”で一層便利に!」 - プレスリリース - ZDNet Japan

内容をまとめると、
1.Twitter, Facebookのアカウントよりログインが可能に!
2.今までの友人の関係がフォロー関係になり、 気になる人の情報を簡単に収集。
3.新規クチコミとユーザーアクションにTwitterに近いタイムライン型インターフェイスを導入!
なっている。

Oauthとはソーシャルグラフを取り込むデータポータビリティのプロトコルで、twitterとFacebookは対応しており、mixiは対応予定である。

mixi meetup 2010 ≪ 株式会社ミクシィ

認証後、プロフィール情報を追加で入力させる仕様になっている。これは既存会員とOauth会員との間でデータの整合性をとるためと考えられるが、もし最初からサービスを設計する場合は、このような追加情報はその追加情報を利用するシーンでのみ情報を入力させる仕様に変えた方が良いだろう。日本はFacebookの普及率が低く、mixiがOauthに対応していないため当面はtwitterをメインに考えればよいだろう。

■まとめ
その他、様々なソーシャル化事例から、口コミサイト運営者がサイトソーシャル化を行う上でとりあえず意識する事は以下の通りにまとめる

  • [必須]シングルサインオン
    • 会員登録機能はOauth認証
      • 既存の会員機能よりも外部認証を優先する
    • twitter,Facebookのアカウントでログインできるようにする
    • mixiはOauth提供開始したら対応する
  • コメント投稿
    • フィードをtwitterやFacebookに流せるようにする
    • 自前の口コミ投稿よりも外部へのフィードを優先する
  • バイラル
    • 友人を招待する
      • twitterやFacebookのユーザーをサイトに招待する機能を提供する
    • ソーシャルフィルタリング
      • 友人からアドバイスを受けられるようにする

■参考記事
Twitter Connectが登場する前に,Facebook Connectの概要をまとめておこう:in the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ

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