2010年8月21日土曜日

「webは死んだ」があまりに分かりにくいから解説するわ

Athle30氏のリクエストにより

■何の話?
クリス・アンダーソンっていうウェブ業界で有名な人が最近wired誌で発表した記事。この人過去にロングテールとかFREEとか執筆しているからみんなが注目している。元ネタThe Web Is Dead. Long Live the Internet | Magazine「王は死んだ。王様万歳」(王が死んでも王政は続く)をもじったタイトル、だから本質的にはweb万歳



■簡単にまとめると
ここでいうwebというのはHTMLが支配するブラウザで見るオープンなウェブ環境のことで、20年前はFTPが主流だったものがP2PやVIDEOのほうがトラフィックを占拠し、今後webはますますそのシェアを減らし、各状況に応じた形態(アプリ)がとって変わるだろうという考察。

■でも反論多数
問題提起はしたものの、煽るだけでいまいち受け入れられていない様子。
・反論例

  • グラフ間違ってんぞ
  • 動画ってyoutubeもwebだろうがコラ
  • 割合で見てもしょうがないだろ
  • トラフィック全体が伸びてるじゃねーかオイ

■論点は何よ?
①ブラウザVSアプリ
モバイルが主流になると利用シーンが細分化されるので最適化しやすいアプリのほうが向いてるよって話。最近スマフォというかiphoneではほぼアプリ利用が主流だし、ブラウザはアプリの一種だよね。なのでこの議論は②とほぼ同義。

②オープンVSクローズ
appleのように強力なプラットフォームを持つとクローズ環境のほうがむしろ儲かるよって話。割を食うのはディベロッパーとユーザー。webの中立性の議論で語られる。

③インフラVSハードVSソフト
ハードやインフラに独自性がなくなると価格競争のみで戦うことになってしまうからそれを避けるためにハードやインフラの人たちはオープンな環境になってほしくないと考えているって話。なのでこれも②とほぼ同じ論点になる。

■それに対してsarutandoが突っ込み
①将来的にはブラウザ>アプリと予想
理由は

  1. 利用シーンの頻度は、全端末共通で使えるサービス>端末依存の機能を使うサービス
  2. いずれandroid>iphoneになり、android擁するgoogleはアプリよりweb派
  3. ブラウザの方が開発が楽、楽な方にコンテンツは集まる
  4. 日本のガラケーの歴史がそうだった

mixiがアプリとサイト両方もっているのでそのトラフィックの推移みれば傾向読めそう。

②オープン派が勝つ、っていうか勝ってください
理由は

  1. 開発的にマルチプラットフォームなんてやってられない
  2. ユーザー的にはFlash程度で充分
  3. クリエイティブ・コモンズが増えてくるとそもそも囲い込めないよね

③インフラ>ハード>ソフトを覆すのは難しいかも…
ハードに関しては中国のトンデモ携帯みたいにオープンでカオスな状態が実現できる可能性はある(違法多いけど)。インフラは参入障壁高いから無理っぽい。ここについては引き続き考えてみたいと思います。

■まとめ
web以外のトラフィックが増加してくることは間違いないけどそれ以外は議論の渦中、最重要の論点はオープンVSクローズ

■参考
Wired誌、カバーストーリーで「Webは死んだ」と宣言―本当か?(アップデートあり)
「ウェブは死んだ」~ワイアードのクリス・アンダーソン氏の論考を読んで(1) : DON
Web は死んだって? 冗談じゃない! / IT マネジメント - japan.internet.com コラム
また「ウェブは死んだ」そうです : ギズモード・ジャパン