2010年9月15日水曜日

食べログの訴訟から再考する他人のプライバシー問題


最近、食べログが掲載している店舗の情報の扱いについて訴訟が発生している。客が投稿した内容が事実と異なるせいで店が損害を受けたという内容だ。

「ネット情報古いまま」訴訟 食べログ側、争う姿勢/佐賀のニュース :佐賀新聞の情報コミュニティサイト ひびの

例えば、動画サイトにおけるアニメなどのデジタルコンテンツであれば著作権者が権利侵害に基づいて削除を要請することができる。しかし店舗情報などの著作権に該当しないものにはこのような権利が認められるか、というのが焦点だ。

この訴訟は複数の複雑な要因が絡むが、私が注目しているのは「他人のプライバシー問題」である。つまり、店舗の情報を勝手に客が投稿する、ということ自体がそもそも許されるのか、というものだ。もし自分が店舗を運営していて、間違った情報やあらぬ噂をたてられたくない、というのは店舗側の本音ではないか。特に個人で運営している小さな店舗ならなおさらである。自分達の情報は自分たちでコントロールしたいと思うのは当然だ。

これに関連して、他人のプライバシー問題で過去にあった2つの事例を考える。

一つ目は顧客情報を売買するというもの
かつて本誌が「悪」と呼んだ個人情報サービスJigsawをSalesforceが$142Mで買収へ
Salesforce.com、企業名簿サービスのJigsaw買収 - ニュース:ITpro

二つ目は異性の情報を共有するというもの
「男性を家畜扱い」「個人情報どうなる」 婚活サイト「男の子牧場」に批判殺到 (1/3) : J-CASTニュース
男の子牧場@サイバーエージェント まとめ - 男の子牧場@サイバーエージェント まとめトップ

いずれのサービスも論調としては社会悪として語られている。ただ、ソーシャルネットワークの進化によって情報の透明性が高まっていく方向性は避けられないことを考えると、これらの他人のプレイバシーを扱うサービスも主流になってくる可能性がある。

良い悪い、というより、他人のプライバシーを扱うビジネスが今後どうなっていくのか引き続き注目したい。